2011年12月28日水曜日

節電イラスト

朝日新聞12/24にて節電特集のイラスト描かせて頂きました。

2011年12月2日金曜日

クリスマス(毎年恒例)



うわさでは、来年は香川県宛の年賀状、うどん県で届くとか…。
真偽のほどはわかりませんが、
うどん大好きな香川県出身、チャンキー松本の毛書「うどん」。
クリックして拡大してダウンロードできますので
香川の方に年賀状をお出しする時にでもお使い下さい。
あるいは香川からでも。



ルーキー君

Digital Youthサイトのスーパールーキー君の絵を担当してます。
ルーキー君のお話は3月まで続きます。今後の展開をお楽しみに。
http://digitalyouth.jp/point/
ネコ先輩 (33) 秘技★その1 モバイル高速通信スター優作 (37) 秘技★その2 SNSロボ課長 (51) 秘技★その3 スマホ&PC使い分けミドリ姐さん (42) 秘技★その4 ドキュメント作成AYAさん (29) 秘技★その6 創造/語学岩田さん (27) 秘技★その7 エンタテインメント出雲さん (45) 秘技★その5 クラウド

2011年12月1日木曜日

デザインあ

NHK教育テレビの「デザインあ」とゆう番組の
デッサンあとゆうコーナーでデッサンしてきました。
耕耘機の回と 獅子舞の回の二回。
しばらく不定期に放送されるようです。

2011年11月25日金曜日

似顔切り絵

11月26.7日午後1時〜5時頃まで
西荻ルーペさんの「ねこ展」にて
似顔絵切り絵しております。
おひとりさま700円。
西荻に散歩の際は、是非お立ち寄り下さい。


沢山の御立ち寄り有り難う御座いました!

2011年11月17日木曜日

いいとも



週末は友人の結婚式に参加するため九州の別府へ行きました。山の中にある神社で式をあげた後は、大きなレジャー施設のようなホテル内での楽しい披露宴でした。 


ボクは友人たちとお祝いの人形劇を披露させてもらいました。こういうのって本番でうけたどうかというよりも「過程」が命です。恥をかくのはわかっ ていますが、みんなであーだこーだと練習する過程で友人との距離がまた近くなれたり、、そんな自分たちのことを「終わらない学園祭だな」と友人が言いまし た。 

翌日からはせっかく九州にきたのだからと、5人で高千穂、熊本の2泊3日の旅にでました。高千穂には日本の神話の発祥「天の岩戸」の伝説が語り継 がれています。ボートで瀧を見たり、神社などを巡り、夜は神楽見学後、普段であれば入ることないだろう「ジャイアンツ」という名の居酒屋 へ入り、そこで地元の人の宴会に遭遇し、なんや切り絵を披露するとたちまち「先生!」と言われ4、5人の顔を切り絵したり、、旅にいくと地元の人との交流 が一番楽しいものです。情報だってネットで得るよりも間違いがありません。 

熊本では携帯電話も圏外となる山深い温泉地での宿泊。リーズナブルなトレーラーハウスで寝泊まりしました。温泉はここが一番良かったです。湯から は地のエネルギーを感じます。水も風も熱も都会では感じることのできないものばかりです。そして阿蘇山ではその広大な景色を前にしてみんな興奮状態。ス ケール感が日常の景色と違いすぎて、馴れるまでに少し時間がかかります。さらにいぬんこは馬にのって喜んでしました。なんとももりだくさんな九州ツアーで した。 

さて、九州旅行が終わった翌日は「笑っていいとも」のあるコーナーに切り絵師として出演してきました。当日は新宿のアルタへ朝9時に入りリハーサ ルをしました。そこで「タモリさんを1分以内で切って欲しい」と言われ、普段は4分ほどかかる(これでも十分早いのですが、、)とこをハショって1分以内 にできるよう2畳ほどのスペースの楽屋で練習しました。 

楽屋で出番待ちをする、、こういう時の心境っていつも変な例えですが「死刑執行される時を待っている囚人の気持ち」と同じかなあ、、と思います。扉の外 から声をかけられ、殺風景な廊下を歩き、ドキドキしながらステージ裏で控え、板一枚隔てた向こうは別世界、、合図で呼ばれて「どうにでもなれ!」と思いな がらステージに飛び出し、なんやバタバタと事が起こって終われば夢のような時間、、死ぬ時もこんな感じじゃないのかなあ。 

まあ~切り絵の出来はどうであれ、なんとか1分もかからず切れたし、タモリさんを間近で見れたことは嬉しいし、なによりも出演できたことが貴重な 経験となりました。たくさんの友人がビックリしているのもツイッターで見ました。本番はどうなるのか?予想できなかったので前持っての告知はやめました。 なんか恥ずかしいですから、、しかし疲れました。心も体も、、仕事とはいえこんなのを毎日こなす売れっ子芸能人の心ってタフだなあと思いました。 

ボクらの「終わらない学園祭」はまだまだ続きます。来週23日は西荻窪の「かがやき亭」でのいぬんこ念願の「瓢楽器の会」が あります。講師に瓢箪楽器の名人「奥田扇久さん」をお呼びして、参加者のみなさんに瓢箪楽器を制作してもらいます。遊びに来たい方は是非ご連絡ください ね。参加費は2000円で午後4時からスタートします。 


そして26、27日の2日間は西荻窪の雑貨屋さん「ルーペにて「チャンキー松本の似顔切り絵」を午後1時から暗くなるくらいまでやっておりま す。西荻駅北口から歩いて8分ほどの、陶芸の店で有名な「魯山」の隣にあるお店です。
(写真は富士チャンにお借りました)

2011年11月7日月曜日

ミドルパッセージ

「ミドルパッセージ」という本を読みました。 

今迄の人生の歩み方を再検討し、後半の人生をどう生きてゆくのか?と人生を見つめ直すという通過儀礼のような時間のことをミドルパッセージと言うのです。 

数日前、友人からの電話で知人の女性イラストレーターがお亡くなりになった、、という連絡をいただきました。ほぼ同じ年齢の人の死ですから驚きましたが、昨日、また違う友人からのメールで20代の頃に仲良くしていた同じ年齢の友人がこの夏に亡くなっていたということを聞かされて、さらに驚いたのです。 

友人はバイクが好きでフィギアを自分で作るのが好きで、顔といい体型といいスターウォーズに出てくる森の妖精「イウォーク」に似ているかわいい男でした。優しい性格の持ち主で、からかっても笑いながら遊んでくれました。同郷の香川県の出身で実家はイリコを干している、、とか話していたことを思い出しました。 

友人とは数年会っていませんでしたが、死の知らせを聞いてからはいろんな記憶が蘇ってきます。そしてやはりさびしいのです。この世にはもういない事実がたださびしいと感じます。 

ミドルパッセージの中で後半の人生では「失う」という経験から学ぶべきことがあるのだと書いてあります。「得ること」に夢中だった過去、これからは「失うこと」から得るものがあるのですから、なんと人生は難しいのでしょう。 

今の私にできることは、この通過儀礼をこえ、新たな私に出会うための旅をすることなのだと思います。この旅を「あの人たち」はきっと応援してくれているだろう…そう感じるのです。 

2011年10月28日金曜日

五感で味わう物語/影絵と中国茶

東京にきて半年がたちました。ここ西荻窪という町にも昼間から立ち話などさせてもらえるお店もできました。たまに町のイベントに参加させてもらい珍しがられていたりします。 
明日は西荻から飛び出して恵比寿という町にある中国茶屋の「ハオメン」という店でOHPパフォーマンスをさせてもらいます。 
今回は映像を投射するスクリーンや、映像で使う小物なども自分で作りました。今までよりも絵1枚1枚が際立つ影絵を作ることを心がえています。お 話の内容は「門」がテーマ。門をさかいにして、来る者、去る者、留まる者たちの心を描きたいと思います。今の自分の心をそこに重ね、より深い作品になれば と、ここ1週間は珍しく練習をしています。 
ライブでは自分の勢いのみで押し切ってしまうという悪い癖を、話の本流からはずれることなく、熱くなりすぎぬようじっくりと話の世界に深く入っていきたいと思います。 
自分の知らないところで何かが動いている気がしています。いずれその流れに入ってゆくことになる、、予感もしていますが、、今のボクは門の前で立ち止まって、お茶を飲んでいる、、そんな時間なのかもしれません。 





 









西荻 夕市

2011年9月24日土曜日

なすのつけもの

いぬんこが蝶の亡がらを「きれいだから」と持って帰ってきた。それをテーブルに置いて眺めてたり写真にとったりしていた。夕方になって近くの公民館で「六カ所村ラプソディー」という映画を無料で見せてもらった。二時間近く立っていたものだから膝と腰が痛くなって、家に帰ってきたら二時間ほど寝てしまった。

起きるといぬんこがwiiで身体検査のようなことをしていた。二人ともに太っていることがわかった。外食やら飲み会が続いたせいだろう。なんとなく遠くにあるスーパーまでウォーキングした。

今夜、ユーチューブで見たのが「キューブラー・ロス」の映像だった。彼女の言葉で「人が死ぬ時はまるで蝶がさなぎから抜き出て飛び立つ瞬間のようだ」とある。晩年のロスは病に倒れ、動けない不自由な生活を強いられることになった。ロスは「『愛を与えること』はやってきたけれど、人生の終わりにきて『愛を受ける』という学びをすることになった…」と話していた。

風呂に入りながら思い出したことがある。今年の初夏あたりか?夕方、大阪の天満を歩いていた時のことだ。道を少しだけ間違ってボクら三人は細い路地を歩いていた。すると前の方で二人組のおっさんが立ち話をしているのが目に入った。

近くまで行くと、一人のおっさんがボクに近寄り話かけてきた。それもスペイン語?の挨拶のような言葉で。よく見ると数年間までボクが通っていた天六商店街にあった、お惣菜屋のご主人だった。

「おひさしぶり!」とお元気そうだ。でもたしか体調を崩されてお店を閉めたはずなのに、、えらく顔色も良いし、、「そうそう、あの店は閉めたんやけど、数ヶ月前からここで店を始めたんです。それにはわけがあってね、、ちょっと時間いいですか?」店先には、なすの漬け物や残ったお総菜が見えた。

「足の病気でね。前の店は続けられんようになって、、で、ある大きな病院に通院していたんです。そこで先生にこのままでは治らん、足を切断するしかない、と聞かされたんです。さすがに落ち込みましてね。でもなんかあきらめきれんで近所の接骨院へいって相談しにいったら、そこの先生がもいっぺん足の検査をしてくれたんですわ。すると先生が『◯◯さん、足は切断せんでも治りますよ。もう一度だけ他の大きな病院で見てもうてください。』というてくれてね、、また何件か別の大学病院で検査を受けたんです。

でもどこも『切断しかない』と言われてしもうたんです。そのことを言いにまた接骨院へ行くと先生が『これは筋肉の問題なんですよ。よし!ほなウチで治します。治療とリハビリしていきましょ』というてくれたんです。藁をもすがる思いで、、治療に専念しました。すると驚くことに1年後に足が動くようになったんです。」

笑顔でその話をしてくれていたご主人は「ちょっと待って!」と店の奥からあるものを持ってきました。それは数枚の写真でした。写真には田んぼで作業をするご主人が映っています。

「今では畑作業も出来る足に戻ってね。畑で出来た野菜を漬け物にして、この新しいお店で出しとるんですよ。もしもあのまま足を切断してたらと思うと、、ホンマ今は楽しくて仕方ないんですよ。」別れ際、ご主人はボクに漬け物を持たせてくれました。「松本さんもがんばってくださいね」と言って、、

人は生きながらにして、生まれ変わることもあるんだ。
まるで蝶のように。

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2011年9月18日日曜日

つげのくし

先日のこといぬんこがボクに「つげのくし」とやらをプレゼントしてくれました。
ボクの髪の痛み具合を気遣ってくれたようで、けっこうイイ値のするくしを買ってくれたようです。なんでも、くしは苦死として縁起が悪いとゆう見方もあるそうですが、一方つげのくしは「神のおつげを聞き、苦死を解きほぐす」ともいわれるらしく、そちらを信じることにします。たしかに髪の毛は体の一部の中では「死んでいる」ものらしく、あとは傷んでゆく一方、、できるだけケアして傷みを和らげることしか方法はないようです。この長髪も白く、細く、少なくなってきているので、いつまでこの長さをキープできるのかはわかりません。

いぬんこは洗髪した後のボクに「髪をとかさして」と言います。サラサラになってゆく髪の毛を見て楽しいようです。幼い女の子が人形の髪の毛にくしをとおして遊んでいるのと同じようにボクには見えます。女性の遺伝子には「くしをとおす」という楽しさが組み込まれているのでしょうか。

こちらでも、町を歩いていてもどうやらこのチョンマゲをチラチラと見られているよ、といぬんこが言います。東京の人は遠慮がちだから、見るなんてことも失礼なことで誰も見ていないと思っていましたが、そうでもないようです。つげのくしのおかげで美しくなったチョンマゲはさらに目立つのかもしれません。

さて、こちらでは暇な時間を過ごしているボクですが、たまにおもしろがって気さくに声をかけてくれる方がいます。1ヶ月前に青空亭の二人に西荻について話を聞きたいとボクらにインタビューしてくれたのが、西荻で服屋を経営されている「ストア」の國時さんという方です。國時さんも西荻という町をおもしろがっていきたいと、チャサンポー等のイベントなどをひらいておられます。
http://teratotera.jp/column/ks01_01.html

自分が住む町をおもしろくしていきたい。

今日は武蔵小金井で「あいのてさんまつり」に参加しました。あいのてさんは言わずと知れた即興音楽の天才です。即興音楽もいかに今あるものでどう楽しむのかがおもしろいところ。昨日は、参加してくれた20人ほどのお客さんと即席でちんどん屋を作って町を練り歩いてきました。

あいのてさんは今後10年間、毎年武蔵小金井という町でイベントを続けていくようです。メンバーの尾引さんもやはり自分の住む町を楽しくしていきたいとの強い気持ちからこのイベントを企画したそうです。そういうイベントに参加させてもらいうれしく思います。明後日の19日はひさしぶりにあいのてさんとの即興パフォーマンスです。
http://chateau2f.blogspot.com/

國時さんがデザインしたTシャツには「家」の型がデザインされています。今日のあいのてさんのイベントに着ていきました。

今住む町は誰にとっても「home」なのです。


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2011年8月21日日曜日

島の旅


お盆には瀬戸内海の豊島へ紙切り似顔絵をしに行きました。

ボクのおじいちゃんは発明家でした。全盛期は高松や徳島に大きな土地を持つお金持ちだったのです。若い頃のおやじや従兄弟のにいちゃんはそれは贅沢をしたと話していましたが、ボクにはそんな金持ちの恩恵など味わさせてはくれませんでした。

瀬戸内海の直島に浮かんでいる赤い色の灯台はおじいちゃんが若い頃に創ったんだと初めて聞かされました。

瀬戸内海に浮かぶ島、、豊島の夜のこと。商店のおばさん二人と立ち話をしながら、ふと空を見上げるとオレンジ色の丸い月が昇っていました。まるで夜空に太陽が浮かんでいるようにも見えました。

珍しい月ですね。

いや~このへんじゃ普通だよ。

都会ではこんなオレンジ色の月はなかなか見ることがないよ。

ふ~ん。そうなの~。


ボクらが宿泊した場所にはいろんな所からやってきた旅人でいっぱいでした。初対面でしたが、話してみるとみなクリエイターばかりでした。なかに建築家が2人もいて、その2人ともが「香川県は文化レベルが高いし、日本の中でも建築物を見るなら香川県だと思います」と話されていました。

翌日のこと。船に乗って宇野港を目指していました。船が直島近辺を進むと見えてきたのは、焦げ茶色になった島でした。2日ほど前にここで大火事があり島の9割を燃やしたのです。

すると前には、小さな赤い灯台が浮かんでいるのが目に入ってきました。

あっ!これかもなあ〜おじいちゃんが創ったやつって。

自分が生まれ、18年間過ごしてきた香川県。でも今頃になって知ることがたくさんあり、再発見しています。しばらくは都会から故郷をながめることになりそうです。

2011年8月3日水曜日

西荻かおあわせ展

ギャラリーオーナー自ら暖簾を作って下さって感激です。とてもお洒落な雑貨ギャラリーにいまだけかかっております。


たまたま入った西荻窪にある「ギャルリーノン」というお店で、少しだけ店主とお話をさせてもらったら、それからしばらくして「ウチで展覧会しませんか?」と連絡をもらい、これもなにかの縁だからとお請けさせていただきました。 

お店の一角のスペースの壁と棚にはボクの似顔切り絵といぬんこの紙モノ雑貨が並んで、にぎやかな縁日の出店のようです。ボクの切り絵のモデルは西荻の街でお店を営む40人ほどの人たちです。この企画が良かったのでしょう。お店の人の紹介で来ました、、と見にいらしたお客さんが多いのが嬉しいです。 

「東京」が相手だと思うと面倒臭くなりますから、こうして地域の中へ入っていく方がボクには合っているのだと思います。おかげで街に知合いも増えてきました。いろんなお店に知合いができることは生活を楽しくさせます。 

今日は1人の女性の切り絵をさせてもらいました。その人は仕事帰りで疲れているのだと言いました。出来上がった切り絵を見て「似顔絵でたまにある、顔の中で嫌だなと感じる所は表現せずに、嬉しくなるような表現をしてくれて、、ありがとう」と声をかけてくれました。 

顔を似せることは簡単ですが、喜んでもらうには、それなりに相手の何かを読み取ることが必要となります。顔はみなが一番気にかける場所です。顔には大切な何かが表現されているから、みなが興味あるのだと思います。 

じっと見ていると顔は数秒ごとに変化してゆきます。 
静かな顔を切り取りたいと思います。 

青空亭「西荻かおあわせ」展は今週末の7日まで開催しています。土曜日日曜日は終日、ボクが切り似顔絵をしています。土曜日の3時頃にはなんらかのパフォーマンスをします。遊びにきてくださいね。

2011年7月24日日曜日

おかめ列車

このたびいぬんこが絵本を出すことになりました。「おかめ列車」というタイトルの絵本で8月後半には各地の本屋に置いてもらえるようです。なんせ「いぬんこ」名義での初絵本となりますから、本人も嬉しいやら不安もあるやらと複雑な胸中のようですが、少しだけお手伝いをさせてもらったボクから見れば、おもしろい仕上がりになっていると感じます。

「おかめ列車」というぐらいですから、この物語には「おかめ」の顔をつけた列車が出てくるわけです。実はこの列車、数年前に「犬子動画舍」で制作したアニメーション「楽しや汽車の旅」に登場しているものと同じキャラクターです。アニメーションでも絵本でも、おかめ列車の存在は「この世とあの世をつなぐものであり、異界からの使者」なのです。

多くの物語には「異界からの使者」という存在がさまざまなキャラクターとなって出てきます。人はそういう存在をどこか身近に感じるからこそ、そんな存在を含む物語をこよなく愛しているはずです。

この絵本おかめ列車では小さな子どもたちをある異界へと導いてゆきます。子どもはこの世にやってきて間がないので、異界というかあの世の記憶がまだ遺っているから、異様なものだってすぐに受け入れることができるのでしょう。大人はどうしてもこの世での経験が多過ぎて、異界を素直には受け入れることができないから、芸術という形にしたものでやっと感じることができるのかもしれません。

いぬんこの実家はちょうど線路が近くにあって、窓を開けていると走る電車の音が聞こえます。寝ぼけまなこで電車の音を聞くと、列車に乗っているようにも感じます。あるいはここが駅のホームで自分はベンチに座って次の電車を待っているような錯覚にも襲われます。高校生のいぬんこはこの部屋で電車の音を聞きながら、これから旅へ出る心の用意をしていたのでしょう。

今、ボクはこの部屋でこうして文章を打ちながら、ビーチボーイズの「ペットサウンド」を聴いています。ラストナンバー「キャロラインノー」が終わるとすぐに踏切の音と電車の走る音がします。そして犬が鳴きます。それらすべての音がどこか哀しくも響いてきます。

アニメ「楽しや汽車の旅」のラストはこのアイデアを頂戴しています。異界への旅を終えた男が踏切にボケ〜っと立っています。踏切の音が消え遮断棒が上がってゆくとやっと男は現実の世界へと戻ってこれるのです。異界で見たさまざな景色は夢のようであり、いつかの故郷のようであり、、

あれ?今、同じ音が外から聞こえてきます。
ボクもどこかへ連れていかれるのかなあ?
まだまだ旅をする運命になっているのかなあ?
、、おかめ列車に揺られながら。

ではこの夏、絵本「おかめ列車」をどうぞご覧下さい。

2011年7月5日火曜日

今後の予定です。

七月は、色々なところでいろいろなこと、させてもらいます。
ご興味ありましたら、どこかでお会いできればうれしいです。


10日天満橋 時色 似顔絵切り絵
ギャラリーと貸本の時色さんで開催中の「顔展」の最終日に、似顔絵切り絵で参加させてもらいます。たくさんのアーティストさんが参加されてる展示も面白そうです。

14日尾道 ハライソ ライブ
尾道のミュージシャンケイキさんと 歌ったり切ったりお喋り、させてもらいます。ハライソさんは味のある珈琲と店主さんにホット出来るスポットです。その上にあるyesさんの屋上でハンモックに揺られてると天国にいけます。


16日 長谷川義史さん企画めぢからいぶ  OHPショー 
情熱大陸にも出演されてた絵本作家 長谷川さんの企画で ガンジー石原さんや新潟の皆さんとのイベントでOHPショーさせてもらいます。

22日玉造 Beyer(ばいえる) 西田俊也さんとトークショー 
絵本「あなけもん」でも共作させてもらった 小説家西田俊也さんとのトークショー「ふたりのビッグショー」第二回です。連続11時間も喋り続ける程仲の良いの二人のお話、今回はカレー付です!優しくかわいい店主夫婦とお話しながら、昼寝してしまいそうに落ちつく玉造にあるブックカフェバイエルさんにて。

23日東急ハンズで水彩画教室 
ステッドラーさんの画材を使わせてもらって ちょっとしたコツなど教えさせてもらいます。

30日〜西荻ギャルリーノンにて切り絵展
詳細は追って

2011年6月27日月曜日

逗子

サマーデイズ、サマーサマーデイズ
少し歩いたら、そこは海でした。

2011年6月14日火曜日

なまずえ「なまたん」

チャンキーが描いた鯰絵(なまずえ)です。
なまずの「なまたん」
地震お守りとしてプリントアウトして携帯してね☆


2011年6月8日水曜日

時色

7/10(日)12:00過ぎから
時色にて 似顔切り絵いたします。
http://tokiiro201.exblog.jp/16388836/

水彩色鉛筆を使った水彩画講座

東急ハンズ梅田店にて7月23日(土)水彩色鉛筆を使った水彩画講座を行います。
http://www.iwf.jp/300sche/item/102/catid/1
宜しくお願い致します。

チャンキー松本切り絵イラスト

チャンキー松本切り絵イラストのスライドショーを作ってみました。

大阪新町 ギャラリー月夜と少年さんでの展示とイラストのお仕事等です。

新しいくらし

部屋のベランダごしには桜の樹が見えます。今は緑の葉が生い茂り、風に吹かれるとザワザワと音をたてて揺れています。この部屋は風通しが良くソファーでつい昼寝なんぞをしてしまいます。

マンションは築40年と古い物件です。ボクは柱に薄墨を塗ったり、物置に棚を付けたりと、なんとなくDIY的なことにチャレンジしています。ですから苦手だったホームセンターにも通い、たくさんの種類のネジに頭を悩ませています。


今日は障子紙の安売りコーナーにておばあちゃんに紙の貼り方なんか教わったりと、東京に来ても見知らぬ人と話すことが多かったりします。他人と話す内容も大切ですが、「話す」という行為そのものが大切なのだと感じます。


東京の西荻窪に引越してきて今日で1週間がたちました。部屋のダンボールもだいぶ減り、あとは整理してゆけば居心地良い部屋になりそうです。関西からも続けて友達が遊びにきてくれましたし、新しく知り合った人たちはみなとても優しく接してくれます。


ジョギング中、前を3人の若い男が歩いていて、急に思い出したのが27年前のこと。当時17歳のボクは東京に憧れをもち、夏になるとデッサンの夏 期講習を受けるためと理由をつけては、東京で数週間暮らして遊んだことでした。見るものすべてが田舎者のボクには刺激的だったのです。


昨日は渋谷のホテルのラウンジのような場所で人と会っていました。大きな窓の向こうにはビルや看板、そして夕暮れの空が見えました。なぜかその景色が古く感じたのです。44歳になったボクの目や肌は、東京の景色から刺激を感じるよりも、郷愁を感じてしまいます。


夜になって、部屋にはリカちゃんがプレゼントしてくれた風鈴がチリリンと鳴っています。さてこの風がなにをボクらに運んでくれるのでしょう。しばらくは焦らず過ごそうと思っているのです。

紙切り似顔絵のようす

ゴールデンウィークには各地のイベントで
約二百人切らせていただきました。
今迄で千五百人位は切らせていただいたことになります。

切り絵似顔絵イベントの様子をブログに書いていただいております。
大阪 堺の遊さん  
瀬戸内海 豊島 島キッチンさん ありがとうございました。

チャンキー松本の紙切り似顔絵 のお問い合わせは以下にお願い致します。
aozoratei☆gmail.com (☆を@に変えてお送り下さい)


2011年5月25日水曜日

猫とカモメと坂の驢馬

昨年のことですが、ゴンチチのゴンザレス三上さんのソロCDのPVを制作いたしました。画はチャンキー、アニメーションは、ハセガワさんです。

あなけもの

月終盤からゴールデンウィークは毎日「切り似顔絵」の仕事が続き、延べ160人のお顔を切らせてもらいました。さすがに右肩に痛みが走り、こりゃ~やばいなあ、、と思いましたが、ある時、不思議と痛みが引いて驚くほど手が勝手に動くというランナーズハイならぬ切り絵ハイになりました。 

そんな中、もう一方で「あなけもの」という絵本を制作しておりました。「2人のビッグショー」で共演させてもらっています小説家の「西田俊也さん」に無理矢理お話を考えてもらって、ボクが絵を、そしてデザインを「バイエル」のオーナー梅田くんという3人のコラボレーションとなったのです。 

お話の背景となっているのは現在の福島県あたりで、原発事故のために廃墟となって町にのこされたペットたちが、ある穴へと逃げこんだところから話は始ります。 

絵本を作るきっかけはいぬんこが「原発のことについてなんらかしらの表現をすることがタブーになりつつあるのはどうしてだろう?」という疑問符からでした。 

主人公を猫にしたことは人間だと重過ぎることもありましたが、ここにきてもう一度「キャラクター」についてボクが考え直すことでした。日本人はいたるものに「心」を入れることが得意なようで、キャラクターが生まれやすいのだと思います。ここ数十年ほど「かわいい」「ゆるい」「やさしい」キャラクターが好まれ、たくさんの種類が生まれてきました。 

広告からキャラクターが生まれ、商品となって世をにぎわしていましたが、どうもそこも行き過ぎた感があるように思えていました。肝心の商品はおいといても、おまけであるキャタクターがなんだか主となる現状はどこか変に思えます。 

イメージを使って人の心を揺さぶるのがボクらの仕事です。ただそのイメージがなにか得体のしれないものに使われ、誰かの気持ちを動かしていることも間違いありません。ボクはもう一度自分の仕事を考えるためにも「あなけもの」というキャラクターを使った絵本を作ってみたかったのです。 

ストーリーがキャラを動かし、育ててゆき、見た人が心を入れてくれるもの、、まずはこうして動き出したあなけものたち、、これからまたどうなってゆくのかが楽しみなところですが、まず第1話を手にとって読んでいただきたいと思います。 

現在大阪では玉造の「バイエル」と奈良の「カナカナ」におかせてもらっています。東京では今週水曜日から来週の28日まで(23日は休郎)目白のブックギャラリー「ポポタム」で「あなけもん画展」というグループ展のなかで販売させてもらっています。 

そして明日、21日土曜日は夜7時よりポポタムにてライブイベントがあります。ボクはいぬんこと「青空太郎」で参加します。他に京都から「ビッケさん」、ブラジル音楽に深く精通しております「ケペル木村さん」のバンドと3組での出演です。是非いらしてくださいね。
http://popotame.m78.com/shop/

2011年4月29日金曜日

そう、君ならなんとかできる。

おびえすぎたりせずにしましょう。
想像力を恐怖や不安に使うことをできるだけやめましょう。
今、自分に求められたことに精一杯、力を使いましょう。
今日、経験したことをヒントにして、ひらめきをすぐに行動にうつしましょう。
もうなにもおびえることはないのですから。


気持ちが素直になる時、強くなれるのです。
その素直な心が、素敵なアイデアをキャッチしてくれます。
キャッチしたらすぐに動き、形にしましょう。
迷うことなどなく、夢中になって、、
そうして生まれたふぞろいの果実が、
美しい無限の未来という種を宿した、、私の芸術です。


永井宏さんの歌を聴きながら、うかんできた言葉です。


永井さんの存在がこの世から消えて、やっとボクは永井さんの魂を知ることができたのです。
芸術家の作品がホントに語りだすのは、この世から消えてからかもしれません。


明日は昭和町のお祭りで切り似顔絵してきます。梅田のイーマではボクの切り絵がエスカレータ横のガラスに窓に地下2階から地上4階まで飾っています。小さい作品ですが260点切りました。お近くに来たさいにはどうぞご覧くださいね。

2011年4月2日土曜日

サカトミチ

尾道からのアーティストを呼んでの「サカトミチ」という展覧会を大阪靭本町のギャラリー「月夜と少年」で開催しています。


尾道は遊びにいくたびに「これてよかったなあ〜」と思える場所です。なによりもここに住む人たちのおもしろさに惹かれているのです。


「サカトミチ」では尾道で活動するアーティストたちの作品を展示していますし、現在尾道の空き家を再生して新しい人にも住めるようにするプロジェクトの資料なども展示しています。


そして今夜6時よりイベントをします。ボクは「スパイスの嵐」というバンドで参加します。空き家再生プロジェクトの「豊田雅子さん」のトーク、ミュージシャン「keikiさん」「永井真介さん」のライブがあります。


フードは尾道から「ネコノテパン工場」のパンと「スパイスの嵐のカレーに「junkocake」のおやつセットで800円で販売します。


入場料は2000円となっております。是非遊びにいらしてくださいね。

2011年3月29日火曜日

新しい絵

例えば過去に見たアニメ、映画、テレビには街が壊れ、得体の知れない恐怖、汚染された荒れ地が描かれていましたし、そこで立ち上がるヒーローを見てボクらは心を震わせたものです。


今、この日本で起こっていることが、なぜか昔にも見たようなそんな錯覚を起こすのはこれが原因だよな、と友人が話してくれました。やはり表現することは近しい未来を予言するのだと感じました。


とてつもなく大きな津波がボクらの心のある部分を飲み込んでいきました。連れ去られたある部分はまるごと戻ってくることはないかもしれません。それがボクらを不安にさせているのだろうし、以前なら素敵で憧れたものがどうも薄っぺらく思えたりします。


荒れ地から生まれるヒーローも、得体のしれない怪獣も、そのどちらともがボクらの想像力が生み出したものです。想像力は記憶の蓄積、つまりは遺伝子から生まれてくるものですが、今、ボクらを脅かす放射能はその遺伝子を変化させるようです。


「悪いもの、危険なもの、やっかいなもの」


「共存すること」がボクらのこれからのテーマなのであれば、やっかいなものすべてを排除して暗い闇へと追いやるだけではなんの解決にもならない気がしています。そしてこの試練は生きるボクらを新しい次元へと上げるためのものだと感じます。


遺伝子の世界でどんなことが起こるのか?検討もつきませんが、ボクは遺伝子のなかにも「心」のようなものがあると信じていますし、そうでなければ 神様が人間に心を与える必要はないはずです。だから無心に祈ることが、なんらかの影響を遺伝子に与えることもある気がするのです。


桜の樹には新しい花の蕾があたたかな光に呼ばれ、ひらこうとしています。この空の上にはボクらをひらこうとする大きな存在があるのでしょう。だからついボクらは空を見上げてしまうのです。


ボクらの中の眠っている力を、もう一度。
遺伝子にまで響くように、、祈るように、、いつかの未来へと届くような、新しい絵をボクらが描かなければ、、と感じているのです。

2011年3月7日月曜日

あれから

1998年の11月。「チャンキー松本展」 

当時、生まれて初めての個展を天満橋にある「マニフェストギャラリー」でさせてもらいました。小さな会場の壁全面にアクリル絵具で描いた作品をただ並べるだけでした。たいした技術もないボクはとにかくパワー全開で見る人を圧倒させようとしていたのです。「チャンキー松本」という名前を世の中にアピールすることしか考えていませんでした。 

あれからほぼ毎年のように展覧会をさせてもらうようになりました。よく東京でやればイイのに、、と言われましたけど、そない大金を使ってまで、絵に自信もなければ、なによりも面倒くさいなあ〜と思っていました。 

ボクがお世話になったギャラリーのオーナーさんはみな親身になって作品の展示を共に考えてくれました。作家は日々の創作に必死で、展示するその締め切り間近には、展示にたいしてのクリエイティブなエネルギーが落ちていたり、ボクなどは膨大な量の前でどう整理すればいいのか?わからないわけです。そんな時にオーナーのみなさんがいろいろとアイデアを出してくれることに助けられてきたからこそ個展を開くことができたのです。 

最近になってやっと作品も売れるようになりましたが、以前はまったく売れませんでした。企画展なので売れなければギャラリーだって儲かりません。もうしわけなく感じましたが自分ではどうすることもできませんし、そのくせ毎年のように作風が変化してゆきました。自分の心の変化が露骨に作品に現れ、せっかく好評だった作風すらも壊してゆくのですから、それでは売れるはずありません。 

2011年2月。「おいてけぼりの町」 

今回もギャラリー「月夜と少年」のオーナー吉田夫妻と共に展示を考えました。作品の中身と展示との間にブレがない、気持ちの良い個展となりました。この「絵を読む」という展示方法は、お客さんが自分のテンポで絵に向き合えるように、と考えました。そこには「チャンキー松本」という存在が消えて欲しいと思います。絵と向き合うことで、自分の記憶を呼び起こせるような、そんな時間をお客さんに持って欲しいと思っています。 

あと2日間、楽しんでまいります。20日の最終日はボクのワンマンショーです。なんとなく描いたり、読んだり、唄ったりしますので、どうぞ遊びにいらしてくださいね。

プロ

プロという言葉には「前、先取り」などの意味があるようです。仕事などの効率を優先する場合にはこの先を読む力が必要となるでしょう。 

少し先を読んで行動すること、、すばらしい能力だと思いますが、ただこのプロを意味する「先取り」でもって対話すると大切なことを見逃すおそれもあろうかと思います。 

例えば、相手の言うことを先周りして「君の言いたいことはこうだね!」なんて口をはさむ経験が誰にでもあると思いますが、これは注意しなければいけません。話す人の「心の深い所」から浮かんできそうな言葉を聞く側が口をはさむことによって、それが引っ込んでしまうからです。 

心は「浮き」のように水面へ浮かびたいのですが、効率優先の日常では浮かぶことはできず沈みっぱなしです。心という「浮き」がポカ〜んと顔を見せるような、、そんな風景に出会いたいと思います。 

日常のテンポを少し落とし、今この瞬間から得れる、できるだけ多くのものをキャッチし、相手が楽に投げれるようにすること。 

浮かんでくる心を、、静かに待つこと。

おいてけぼりの町

そこはかつての私が暮らしていた町です。 
朝も夕日も夜も海も花も山も坂道も、、そのすべての景色にかつての私がいました。 

3年前の夏のことです。私は島根県にある小さな海の家へ訪れました。そこで私を待っていたものは日本海へ沈んでいく美しい夕陽でした。砂浜に捨てられていたボロ椅子に腰掛け、2時間ほど夕陽が見えなくなるまで、私は空を眺めていたのです。 

その年の春、家のベランダにはシンビジュウムの花が大量に咲いてくれたので、私は花へ感謝の想いを込めて最後の一輪が枯れ落ちるまで毎日、花を描き続けました。 

落ちてゆく夕陽を見つめることが、枯れてゆく花を描くことと自分の中で重なっているように感じました。 

大阪へ戻って、見てきた夕陽を絵に遺そうと絵の具で描いたのですが、どうもピンときませんでした。ちょうどその頃、たまたま友人から「貼り絵の先生をやってくれませんか」と言われ、試作品を作るとこれが楽しくて「そうだ!貼り絵であの夕陽を描いてみよう」と、夏から秋にかけて60点ほどの貼り絵作品が出来上がりました。 

そして2010年の夏、また友人から貼り絵の制作依頼があり、これがきっかけで再度貼り絵ブームがおこり50点ほどの作品が出来たのです。 

2010年は私の環境が一変しました。心おちつける場所をなくし、日々を忙しく過ごしました。この貼り絵を作る僅かな時間だけは、まるで瞑想でもしているかのように心を静めることができたのです。おちつきのない私の心に軽い「おもし」のような役目をしてくれたのが貼り絵でした。 

貼り絵に浮かぶ景色は私がおいてけぼりにした景色です。でもなにかの拍子に立ち止まった時、目の前に現れるような、、どこかで私を待ってくれているのでしょうか? 

その「おいてけぼりの町」では、今でも私が暮らしているかもしれません。 



 ボクの個展「おいてけぼりの町」が2月7日より20日まで大阪靭公園近くにあります「月夜と少年」というギャラリーで開催します。今回は「貼り絵」作品を展示します。ちょっと変わった展示方法で作品を見ていただきます。2月13日の日曜日は終日、誰でも参加できる貼り絵教室をします。参加費は500円です。2月20日はボクのワンマンショーです。夕方6時からちょこまかいろいろとやってみます。こちらは参加費1000円となります。気楽に遊びにいらしてくださいね。水曜日は休廊させてもらいます。

静けさ

先日のこと、滋賀県湖北で活動する若手農家組織「コネファ」のメンバー、清水さんから「冬の湖北もイイですよ。あたりは雪に覆われて、、雪がしんしんと降るのを見るのが好きです。」と聞いた時、冬の湖北に行って絵を描こうと思いました。 

人の顔を描く時、私はその人の中にある「静けさ」を描きたいと思っています。コネファのメンバーはみな楽しい人ばかりですが、絵のモデルになってもらうと独特の静けさを持っていることに気がつきました。ボクはその「静けさ」の源泉を見に冬の湖北へといったのです。 

雪に覆われた田んぼでは作業もできませんから、仕事中もゆったりとした時間が流れていました。田んぼにはたくさんの鳥がえさを探してる姿が見えます。土は静かに眠っているようにも思えますが、きっときたるべき春のために力を蓄えているのでしょう。 

この静けさの中に、新しい力が宿るのです。 

そのコネファと大阪アメリカ村にあるディグミーアウトカフェとの共同企画イベントが開催されます。「農場アート祭」と題して2月3日からコネファのメンバーや活動を写真にした作品やボクは30点ほどの絵を展示します。6日の17時からはメンバーたちとのトークショーに参加します。会場はマルシェあり、野菜を使った料理ありと楽しそうです。入場無料ですのでどうぞおこしくださいね。

2011年1月19日水曜日

おじさんたち

ある町の電気屋さんを通りがかって、その勢いもあって部屋を照らす電灯を持ってきてもらいました。天井に凹凸があって取り付けるのが面倒でしたが、電気屋さんがうまいこと付けてくれました。その電気屋さんがおもしろいことをボクらに話してくれました。

「電気屋って他人の家に入っていくのが仕事みたいなもので、お客さんと信頼関係ができたら色々とこちらに頼んできてくれるわけで、小さなことでいえばトイレの電球1個変えるだけとか、、老人の1人暮らしだと足を滑らすことだってあるからね。花を買いにいったこともあるなあ、、オレ花屋じゃ~ないんだけどね、、ヘヘヘ。引越しなんかもやったりするしね、、刑務所に勤務しているお客さんで、あの仕事って1年ごとに引越しでさ、オレだと引越し業者よりも値段は高いのに、ホラ、信頼してくれてるからさ、、だから忙しいんだよ。」

ちょっとだけ蛭子能収顔したおじさんはそう話してくれました。

外が薄暗くなって商店街を歩いてる途中、アンティークの時計がディスプレイされた店に入ってゆくと、奥から「なにかお捜しですか?」とメガネをかけたおじさんが現れました。店内には古いラジオが見えたものですから、ラジオのことを話題にすると色々と話をしてくれました。

「真空管っていうのはすぐに良い音はでないんだ。つけてから20分くらいしたら良い音になる、、うん、、人の体も同じようなとこがあるよね。趣味がこうじてこんな商売をしている、、凝り性だね。どんなことでも長くやってれば見えてくることがあって、それは全部に言えたりもするよね。」

真空管のラジオから流れる古いジャズの音がボクらを夢見心地にしてくれました。


「こないだある場所で紙切りをしていると横からボクに要らぬちゃちゃを入れてくる子供がいたのでボクは面倒くさいから、あっちいけよ!と嫌がりまして、、」とおっちゃん芸人さんに話すと、「チャンキーさん、それはつっこんでくれているんですよ。もったいないと思って、アドリブでかえせばいいんですよ。そのほうが場が盛り上がるじゃないですか」その芸人さんはニコニコと話をしてくれました。

教えてくれる人はいつだって近くにいてくれます。わざわざ教わろうとしなくても、自然と入ってくるのだと思います。

耳と目と心をひらいていれば、、