2011年5月25日水曜日

猫とカモメと坂の驢馬

昨年のことですが、ゴンチチのゴンザレス三上さんのソロCDのPVを制作いたしました。画はチャンキー、アニメーションは、ハセガワさんです。

あなけもの

月終盤からゴールデンウィークは毎日「切り似顔絵」の仕事が続き、延べ160人のお顔を切らせてもらいました。さすがに右肩に痛みが走り、こりゃ~やばいなあ、、と思いましたが、ある時、不思議と痛みが引いて驚くほど手が勝手に動くというランナーズハイならぬ切り絵ハイになりました。 

そんな中、もう一方で「あなけもの」という絵本を制作しておりました。「2人のビッグショー」で共演させてもらっています小説家の「西田俊也さん」に無理矢理お話を考えてもらって、ボクが絵を、そしてデザインを「バイエル」のオーナー梅田くんという3人のコラボレーションとなったのです。 

お話の背景となっているのは現在の福島県あたりで、原発事故のために廃墟となって町にのこされたペットたちが、ある穴へと逃げこんだところから話は始ります。 

絵本を作るきっかけはいぬんこが「原発のことについてなんらかしらの表現をすることがタブーになりつつあるのはどうしてだろう?」という疑問符からでした。 

主人公を猫にしたことは人間だと重過ぎることもありましたが、ここにきてもう一度「キャラクター」についてボクが考え直すことでした。日本人はいたるものに「心」を入れることが得意なようで、キャラクターが生まれやすいのだと思います。ここ数十年ほど「かわいい」「ゆるい」「やさしい」キャラクターが好まれ、たくさんの種類が生まれてきました。 

広告からキャラクターが生まれ、商品となって世をにぎわしていましたが、どうもそこも行き過ぎた感があるように思えていました。肝心の商品はおいといても、おまけであるキャタクターがなんだか主となる現状はどこか変に思えます。 

イメージを使って人の心を揺さぶるのがボクらの仕事です。ただそのイメージがなにか得体のしれないものに使われ、誰かの気持ちを動かしていることも間違いありません。ボクはもう一度自分の仕事を考えるためにも「あなけもの」というキャラクターを使った絵本を作ってみたかったのです。 

ストーリーがキャラを動かし、育ててゆき、見た人が心を入れてくれるもの、、まずはこうして動き出したあなけものたち、、これからまたどうなってゆくのかが楽しみなところですが、まず第1話を手にとって読んでいただきたいと思います。 

現在大阪では玉造の「バイエル」と奈良の「カナカナ」におかせてもらっています。東京では今週水曜日から来週の28日まで(23日は休郎)目白のブックギャラリー「ポポタム」で「あなけもん画展」というグループ展のなかで販売させてもらっています。 

そして明日、21日土曜日は夜7時よりポポタムにてライブイベントがあります。ボクはいぬんこと「青空太郎」で参加します。他に京都から「ビッケさん」、ブラジル音楽に深く精通しております「ケペル木村さん」のバンドと3組での出演です。是非いらしてくださいね。
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