2012年3月9日金曜日

まれびと

ゆうべ、友人のライブを見た帰りの道でのこと。 

走っていますと目の前になにや大きな物体が見えたので、おそるおそる近寄るとそれは車にひかれた大きなひきガエルの死骸でした。またしばらく走っているとこれまた大きなヒキガエルの死骸、、さらに進むとそこにもひきガエルの死骸、、昨日は気温が上昇して気をよくしたカエルたちが土からでてきたのでしょう。長い冬眠後の目覚めにまさかこんな運命が待ち受けているとは思いもしなかったでしょうけれど…、 

未来はなにが待ち受けているのかわからない。 

先日の大阪「バイエル」でのトークショーで、小説家の西田俊也さんが話していました。

困難が突然襲い掛かってくると、自分が夢の中にでも彷徨っているような気分になります。それら困難な課題は個々の経験値や年齢に比例はしますが、困難のレベルは他人と比較するようなものではありません。でもいつかはみなに平等にやってくるのは確かなことです。 

それはある日、突然に、春に目覚めたカエルたちの事故のように。 


大阪での3日間、たくさんの友人に会うことができました。そしてボクの誕生日ということで、プレゼントやお祝いの言葉をいっぱい貰えました。45歳にもなってこうしてお祝いをしてもらって照れくさいものですが、すごく感謝しています。ありがとうございます。 

かたや、幸せな瞬間も突然にやってきます。お祝いされると驚いて、照れくさくてアタフタしますが、いろんな人に囲まれている、その実感であたたかい気持ちになります。 

アメリカ村の「ディグミーアウトカフェ」での農家アートイベントには、香川県から両親がボクのお祝いにかけつけてくれました。頼んでいた「お遍路さん」の衣装を持ってきてもらい、お遍路さんのかっこになってイベント最後の「近江ええぞ節」ではお客さんの前で踊らせてもらいました。 

その姿を見ていた写真家のモトコさんが「あれは『まれびと』だね。」と言われたので、『まれびと』の意味を調べてみると「いつもは村には住んでいないが、祭りごとには姿を現せる。他界から来訪する霊的なもの」を、いうそうです。まれびと…。フーテンの寅さんのような人かなあ?? 

自分のことをアーティストとか芸術家とか言われると、なんだか違和感がありますが、「まれびと」なら落ち付くような気がします。そんな感じがいいです。なんやわからん存在だけれども、フラりと現われて、ちょっとおもろいことやって、またどこかへ行く…、まれびと。 

でも、ホントはみんな『まれびと』なのかも知れません。あの世からたくさんの経験をするためにこの世にやってきた…、まれびとなのです。