今週に待望の絵本「ちんどんやちんたろう」が発売されました。この絵本は大阪谷町六丁目を舞台にしたお話ですからセリフは関西弁にしました。
もう2年以上前になります。ぼくが大阪谷町六丁目に暮らしていたのは、、、空堀商店街でおにぎりや鳥肉のチューリップや、つけもんやお刺身や買い物したり、友達もたくさん暮らしていて、おいしい店があって、おもろい飲み屋もあって、今でも大好きな町なのです。
ちんどん屋さんがでてきますが、これは谷町六丁目にある「ちんどん通信社」さんをモデルにさせてもらっております。代表の林さんからは「楽しい絵本を描いてよ。どうもちんどん屋ってさびしそうなイメージで描かれがちだから」とお話をいただきましたので、色彩は派手に楽しく、でもお話はちょいと心震わせるものとなっています。
ぼくにとっての絵本作家デビュー作です。描きたかったのは冒険物語です。少年がひょんなきっかけで新しい世界に入ってゆき、少年を手助けするクィーンがいて、見たことない人と出会い、さらなる困難を前にしてさらに少年が成長してゆく、、きっと誰もがこんな風に大きくなってゆく、、これを絵本にしたいと思いました。
関西への感謝の気持ちと今だって関西を恋しく思う気持ちがここに込められています。ぼく自身が関西にきてそこで冒険したからこそ生まれた作品であり、でも今は離れているから描けたのかもしれません。
今回のいぬんこの絵はさらに迫力が増し、美しい絵がたくさん描かれています。制作を近くで見ていて、その絵のレベルの上がりっぷりには驚くばかりです。強烈なおかめ列車のようなキャラクターがないからこそ、人や背景には神経をつかっているのがわかりますし、主人公の喜怒哀楽が見事に描かれています。
「ちんどんちんたろう」をどうぞよろしくお願いいたします。