2011年6月8日水曜日

新しいくらし

部屋のベランダごしには桜の樹が見えます。今は緑の葉が生い茂り、風に吹かれるとザワザワと音をたてて揺れています。この部屋は風通しが良くソファーでつい昼寝なんぞをしてしまいます。

マンションは築40年と古い物件です。ボクは柱に薄墨を塗ったり、物置に棚を付けたりと、なんとなくDIY的なことにチャレンジしています。ですから苦手だったホームセンターにも通い、たくさんの種類のネジに頭を悩ませています。


今日は障子紙の安売りコーナーにておばあちゃんに紙の貼り方なんか教わったりと、東京に来ても見知らぬ人と話すことが多かったりします。他人と話す内容も大切ですが、「話す」という行為そのものが大切なのだと感じます。


東京の西荻窪に引越してきて今日で1週間がたちました。部屋のダンボールもだいぶ減り、あとは整理してゆけば居心地良い部屋になりそうです。関西からも続けて友達が遊びにきてくれましたし、新しく知り合った人たちはみなとても優しく接してくれます。


ジョギング中、前を3人の若い男が歩いていて、急に思い出したのが27年前のこと。当時17歳のボクは東京に憧れをもち、夏になるとデッサンの夏 期講習を受けるためと理由をつけては、東京で数週間暮らして遊んだことでした。見るものすべてが田舎者のボクには刺激的だったのです。


昨日は渋谷のホテルのラウンジのような場所で人と会っていました。大きな窓の向こうにはビルや看板、そして夕暮れの空が見えました。なぜかその景色が古く感じたのです。44歳になったボクの目や肌は、東京の景色から刺激を感じるよりも、郷愁を感じてしまいます。


夜になって、部屋にはリカちゃんがプレゼントしてくれた風鈴がチリリンと鳴っています。さてこの風がなにをボクらに運んでくれるのでしょう。しばらくは焦らず過ごそうと思っているのです。