先日のこといぬんこがボクに「つげのくし」とやらをプレゼントしてくれました。
ボクの髪の痛み具合を気遣ってくれたようで、けっこうイイ値のするくしを買ってくれたようです。なんでも、くしは苦死として縁起が悪いとゆう見方もあるそうですが、一方つげのくしは「神のおつげを聞き、苦死を解きほぐす」ともいわれるらしく、そちらを信じることにします。たしかに髪の毛は体の一部の中では「死んでいる」ものらしく、あとは傷んでゆく一方、、できるだけケアして傷みを和らげることしか方法はないようです。この長髪も白く、細く、少なくなってきているので、いつまでこの長さをキープできるのかはわかりません。
いぬんこは洗髪した後のボクに「髪をとかさして」と言います。サラサラになってゆく髪の毛を見て楽しいようです。幼い女の子が人形の髪の毛にくしをとおして遊んでいるのと同じようにボクには見えます。女性の遺伝子には「くしをとおす」という楽しさが組み込まれているのでしょうか。
こちらでも、町を歩いていてもどうやらこのチョンマゲをチラチラと見られているよ、といぬんこが言います。東京の人は遠慮がちだから、見るなんてことも失礼なことで誰も見ていないと思っていましたが、そうでもないようです。つげのくしのおかげで美しくなったチョンマゲはさらに目立つのかもしれません。
さて、こちらでは暇な時間を過ごしているボクですが、たまにおもしろがって気さくに声をかけてくれる方がいます。1ヶ月前に青空亭の二人に西荻について話を聞きたいとボクらにインタビューしてくれたのが、西荻で服屋を経営されている「ストア」の國時さんという方です。國時さんも西荻という町をおもしろがっていきたいと、チャサンポー等のイベントなどをひらいておられます。
http://teratotera.jp/column/ks01_01.html
自分が住む町をおもしろくしていきたい。
今日は武蔵小金井で「あいのてさんまつり」に参加しました。あいのてさんは言わずと知れた即興音楽の天才です。即興音楽もいかに今あるものでどう楽しむのかがおもしろいところ。昨日は、参加してくれた20人ほどのお客さんと即席でちんどん屋を作って町を練り歩いてきました。
あいのてさんは今後10年間、毎年武蔵小金井という町でイベントを続けていくようです。メンバーの尾引さんもやはり自分の住む町を楽しくしていきたいとの強い気持ちからこのイベントを企画したそうです。そういうイベントに参加させてもらいうれしく思います。明後日の19日はひさしぶりにあいのてさんとの即興パフォーマンスです。
http://chateau2f.blogspot.com/
國時さんがデザインしたTシャツには「家」の型がデザインされています。今日のあいのてさんのイベントに着ていきました。
今住む町は誰にとっても「home」なのです。
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2011年9月18日日曜日
2011年8月21日日曜日
島の旅
お盆には瀬戸内海の豊島へ紙切り似顔絵をしに行きました。
ボクのおじいちゃんは発明家でした。全盛期は高松や徳島に大きな土地を持つお金持ちだったのです。若い頃のおやじや従兄弟のにいちゃんはそれは贅沢をしたと話していましたが、ボクにはそんな金持ちの恩恵など味わさせてはくれませんでした。
瀬戸内海の直島に浮かんでいる赤い色の灯台はおじいちゃんが若い頃に創ったんだと初めて聞かされました。
瀬戸内海に浮かぶ島、、豊島の夜のこと。商店のおばさん二人と立ち話をしながら、ふと空を見上げるとオレンジ色の丸い月が昇っていました。まるで夜空に太陽が浮かんでいるようにも見えました。
珍しい月ですね。
いや~このへんじゃ普通だよ。
都会ではこんなオレンジ色の月はなかなか見ることがないよ。
ふ~ん。そうなの~。
ボクらが宿泊した場所にはいろんな所からやってきた旅人でいっぱいでした。初対面でしたが、話してみるとみなクリエイターばかりでした。なかに建築家が2人もいて、その2人ともが「香川県は文化レベルが高いし、日本の中でも建築物を見るなら香川県だと思います」と話されていました。
翌日のこと。船に乗って宇野港を目指していました。船が直島近辺を進むと見えてきたのは、焦げ茶色になった島でした。2日ほど前にここで大火事があり島の9割を燃やしたのです。
すると前には、小さな赤い灯台が浮かんでいるのが目に入ってきました。
あっ!これかもなあ〜おじいちゃんが創ったやつって。
自分が生まれ、18年間過ごしてきた香川県。でも今頃になって知ることがたくさんあり、再発見しています。しばらくは都会から故郷をながめることになりそうです。
2011年8月3日水曜日
西荻かおあわせ展
ギャラリーオーナー自ら暖簾を作って下さって感激です。とてもお洒落な雑貨ギャラリーにいまだけかかっております。
お店の一角のスペースの壁と棚にはボクの似顔切り絵といぬんこの紙モノ雑貨が並んで、にぎやかな縁日の出店のようです。ボクの切り絵のモデルは西荻の街でお店を営む40人ほどの人たちです。この企画が良かったのでしょう。お店の人の紹介で来ました、、と見にいらしたお客さんが多いのが嬉しいです。
「東京」が相手だと思うと面倒臭くなりますから、こうして地域の中へ入っていく方がボクには合っているのだと思います。おかげで街に知合いも増えてきました。いろんなお店に知合いができることは生活を楽しくさせます。
今日は1人の女性の切り絵をさせてもらいました。その人は仕事帰りで疲れているのだと言いました。出来上がった切り絵を見て「似顔絵でたまにある、顔の中で嫌だなと感じる所は表現せずに、嬉しくなるような表現をしてくれて、、ありがとう」と声をかけてくれました。
顔を似せることは簡単ですが、喜んでもらうには、それなりに相手の何かを読み取ることが必要となります。顔はみなが一番気にかける場所です。顔には大切な何かが表現されているから、みなが興味あるのだと思います。
じっと見ていると顔は数秒ごとに変化してゆきます。
静かな顔を切り取りたいと思います。
青空亭「西荻かおあわせ」展は今週末の7日まで開催しています。土曜日日曜日は終日、ボクが切り似顔絵をしています。土曜日の3時頃にはなんらかのパフォーマンスをします。遊びにきてくださいね。
2011年8月2日火曜日
2011年8月1日月曜日
2011年7月24日日曜日
おかめ列車
このたびいぬんこが絵本を出すことになりました。「おかめ列車」というタイトルの絵本で8月後半には各地の本屋に置いてもらえるようです。なんせ「いぬんこ」名義での初絵本となりますから、本人も嬉しいやら不安もあるやらと複雑な胸中のようですが、少しだけお手伝いをさせてもらったボクから見れば、おもしろい仕上がりになっていると感じます。
「おかめ列車」というぐらいですから、この物語には「おかめ」の顔をつけた列車が出てくるわけです。実はこの列車、数年前に「犬子動画舍」で制作したアニメーション「楽しや汽車の旅」に登場しているものと同じキャラクターです。アニメーションでも絵本でも、おかめ列車の存在は「この世とあの世をつなぐものであり、異界からの使者」なのです。
多くの物語には「異界からの使者」という存在がさまざまなキャラクターとなって出てきます。人はそういう存在をどこか身近に感じるからこそ、そんな存在を含む物語をこよなく愛しているはずです。
この絵本おかめ列車では小さな子どもたちをある異界へと導いてゆきます。子どもはこの世にやってきて間がないので、異界というかあの世の記憶がまだ遺っているから、異様なものだってすぐに受け入れることができるのでしょう。大人はどうしてもこの世での経験が多過ぎて、異界を素直には受け入れることができないから、芸術という形にしたものでやっと感じることができるのかもしれません。
いぬんこの実家はちょうど線路が近くにあって、窓を開けていると走る電車の音が聞こえます。寝ぼけまなこで電車の音を聞くと、列車に乗っているようにも感じます。あるいはここが駅のホームで自分はベンチに座って次の電車を待っているような錯覚にも襲われます。高校生のいぬんこはこの部屋で電車の音を聞きながら、これから旅へ出る心の用意をしていたのでしょう。
今、ボクはこの部屋でこうして文章を打ちながら、ビーチボーイズの「ペットサウンド」を聴いています。ラストナンバー「キャロラインノー」が終わるとすぐに踏切の音と電車の走る音がします。そして犬が鳴きます。それらすべての音がどこか哀しくも響いてきます。
アニメ「楽しや汽車の旅」のラストはこのアイデアを頂戴しています。異界への旅を終えた男が踏切にボケ〜っと立っています。踏切の音が消え遮断棒が上がってゆくとやっと男は現実の世界へと戻ってこれるのです。異界で見たさまざな景色は夢のようであり、いつかの故郷のようであり、、
あれ?今、同じ音が外から聞こえてきます。
ボクもどこかへ連れていかれるのかなあ?
まだまだ旅をする運命になっているのかなあ?
、、おかめ列車に揺られながら。
ではこの夏、絵本「おかめ列車」をどうぞご覧下さい。
2011年7月5日火曜日
今後の予定です。
七月は、色々なところでいろいろなこと、させてもらいます。
ご興味ありましたら、どこかでお会いできればうれしいです。
10日天満橋 時色 似顔絵切り絵
ギャラリーと貸本の時色さんで開催中の「顔展」の最終日に、似顔絵切り絵で参加させてもらいます。たくさんのアーティストさんが参加されてる展示も面白そうです。
14日尾道 ハライソ ライブ
尾道のミュージシャンケイキさんと 歌ったり切ったりお喋り、させてもらいます。ハライソさんは味のある珈琲と店主さんにホット出来るスポットです。その上にあるyesさんの屋上でハンモックに揺られてると天国にいけます。
16日 長谷川義史さん企画めぢからいぶ OHPショー
情熱大陸にも出演されてた絵本作家 長谷川さんの企画で ガンジー石原さんや新潟の皆さんとのイベントでOHPショーさせてもらいます。
22日玉造 Beyer(ばいえる) 西田俊也さんとトークショー
絵本「あなけもん」でも共作させてもらった 小説家西田俊也さんとのトークショー「ふたりのビッグショー」第二回です。連続11時間も喋り続ける程仲の良いの二人のお話、今回はカレー付です!優しくかわいい店主夫婦とお話しながら、昼寝してしまいそうに落ちつく玉造にあるブックカフェバイエルさんにて。
23日東急ハンズで水彩画教室
ステッドラーさんの画材を使わせてもらって ちょっとしたコツなど教えさせてもらいます。
30日〜西荻ギャルリーノンにて切り絵展
詳細は追って
ご興味ありましたら、どこかでお会いできればうれしいです。
10日天満橋 時色 似顔絵切り絵
ギャラリーと貸本の時色さんで開催中の「顔展」の最終日に、似顔絵切り絵で参加させてもらいます。たくさんのアーティストさんが参加されてる展示も面白そうです。
14日尾道 ハライソ ライブ
尾道のミュージシャンケイキさんと 歌ったり切ったりお喋り、させてもらいます。ハライソさんは味のある珈琲と店主さんにホット出来るスポットです。その上にあるyesさんの屋上でハンモックに揺られてると天国にいけます。
16日 長谷川義史さん企画めぢからいぶ OHPショー
情熱大陸にも出演されてた絵本作家 長谷川さんの企画で ガンジー石原さんや新潟の皆さんとのイベントでOHPショーさせてもらいます。
22日玉造 Beyer(ばいえる) 西田俊也さんとトークショー
絵本「あなけもん」でも共作させてもらった 小説家西田俊也さんとのトークショー「ふたりのビッグショー」第二回です。連続11時間も喋り続ける程仲の良いの二人のお話、今回はカレー付です!優しくかわいい店主夫婦とお話しながら、昼寝してしまいそうに落ちつく玉造にあるブックカフェバイエルさんにて。
23日東急ハンズで水彩画教室
ステッドラーさんの画材を使わせてもらって ちょっとしたコツなど教えさせてもらいます。
30日〜西荻ギャルリーノンにて切り絵展
詳細は追って
2011年6月27日月曜日
2011年6月14日火曜日
2011年6月8日水曜日
新しいくらし
部屋のベランダごしには桜の樹が見えます。今は緑の葉が生い茂り、風に吹かれるとザワザワと音をたてて揺れています。この部屋は風通しが良くソファーでつい昼寝なんぞをしてしまいます。
マンションは築40年と古い物件です。ボクは柱に薄墨を塗ったり、物置に棚を付けたりと、なんとなくDIY的なことにチャレンジしています。ですから苦手だったホームセンターにも通い、たくさんの種類のネジに頭を悩ませています。
今日は障子紙の安売りコーナーにておばあちゃんに紙の貼り方なんか教わったりと、東京に来ても見知らぬ人と話すことが多かったりします。他人と話す内容も大切ですが、「話す」という行為そのものが大切なのだと感じます。
東京の西荻窪に引越してきて今日で1週間がたちました。部屋のダンボールもだいぶ減り、あとは整理してゆけば居心地良い部屋になりそうです。関西からも続けて友達が遊びにきてくれましたし、新しく知り合った人たちはみなとても優しく接してくれます。
ジョギング中、前を3人の若い男が歩いていて、急に思い出したのが27年前のこと。当時17歳のボクは東京に憧れをもち、夏になるとデッサンの夏 期講習を受けるためと理由をつけては、東京で数週間暮らして遊んだことでした。見るものすべてが田舎者のボクには刺激的だったのです。
昨日は渋谷のホテルのラウンジのような場所で人と会っていました。大きな窓の向こうにはビルや看板、そして夕暮れの空が見えました。なぜかその景色が古く感じたのです。44歳になったボクの目や肌は、東京の景色から刺激を感じるよりも、郷愁を感じてしまいます。
夜になって、部屋にはリカちゃんがプレゼントしてくれた風鈴がチリリンと鳴っています。さてこの風がなにをボクらに運んでくれるのでしょう。しばらくは焦らず過ごそうと思っているのです。
マンションは築40年と古い物件です。ボクは柱に薄墨を塗ったり、物置に棚を付けたりと、なんとなくDIY的なことにチャレンジしています。ですから苦手だったホームセンターにも通い、たくさんの種類のネジに頭を悩ませています。
今日は障子紙の安売りコーナーにておばあちゃんに紙の貼り方なんか教わったりと、東京に来ても見知らぬ人と話すことが多かったりします。他人と話す内容も大切ですが、「話す」という行為そのものが大切なのだと感じます。
東京の西荻窪に引越してきて今日で1週間がたちました。部屋のダンボールもだいぶ減り、あとは整理してゆけば居心地良い部屋になりそうです。関西からも続けて友達が遊びにきてくれましたし、新しく知り合った人たちはみなとても優しく接してくれます。
ジョギング中、前を3人の若い男が歩いていて、急に思い出したのが27年前のこと。当時17歳のボクは東京に憧れをもち、夏になるとデッサンの夏 期講習を受けるためと理由をつけては、東京で数週間暮らして遊んだことでした。見るものすべてが田舎者のボクには刺激的だったのです。
昨日は渋谷のホテルのラウンジのような場所で人と会っていました。大きな窓の向こうにはビルや看板、そして夕暮れの空が見えました。なぜかその景色が古く感じたのです。44歳になったボクの目や肌は、東京の景色から刺激を感じるよりも、郷愁を感じてしまいます。
夜になって、部屋にはリカちゃんがプレゼントしてくれた風鈴がチリリンと鳴っています。さてこの風がなにをボクらに運んでくれるのでしょう。しばらくは焦らず過ごそうと思っているのです。
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